ボコボコという奇妙な音で目が覚めた。
カーテンを開けると一面の雪景色に朝日が反射して眩しい。
雪に覆われた百花園というのもオツなものではないかと思って、散歩に出かけることにした。
路面の雪は半ば凍っていて踏みしめる度に音を立てる。車が通るとボコボコという音がする。寝床の中で聞いたのはこの音だったのだ。
日当たりの悪い道ではいったん融けた雪がまた凍ってツルツルになっている。まことに都会の雪は始末が悪い。今日は休日だからまだいいが、明日までに除雪してもらわないと仕事に差し支えるだろう。
百花園には私のほかには2、3組のカメラをぶら下げた年配者がいるのみで、とても静かだった。
不思議なことに園内の雪はさくさくとしていて歩くと気持ちがよい。
雪も降る場所を選んでいるのだろうか。街中に降る雪は人間どもを困らせてやろうとして降り、百花園に降る雪は人に愛でてもらおうとして降るのだろうか。
見上げると樹の梢に積もった雪が風に吹かれ、澄み渡った空気の中をさらさらと散っていった。


