会社からの帰り道。
ほの明るい街灯の下、いつもの角を曲がった所でキンモクセイの香りに気がついた。
雨の日が続いたので、もうすっかり今年の木犀は終わりだと勝手に決め付けていたのだが、ちょっと、不意を衝かれたような感じがした。
懐かしい香りだと思った。
懐かしいという思いは、哀しいという感情に似ている。
一昨年より昨年、昨年より今年と、その香りに纏わりつく哀愁は、年を経るに連れて増してくる。
それはつまり、私がまたひとつ年を取ったということなのだろうか。
木犀の香りについて
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