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    <title>散歩の途中で</title>
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    <subtitle>ぼそぼそと呟いております</subtitle>
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    <title>牧童の日曜日</title>
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    <published>2008-06-08T12:27:04Z</published>
    <updated>2008-09-21T02:36:40Z</updated>

    <summary>　休日の午後、日頃の運動不足を解消しようと、妻と二人散歩に出かけた。 　二人とも...</summary>
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        <![CDATA[<p>　休日の午後、日頃の運動不足を解消しようと、妻と二人散歩に出かけた。<br />
　二人ともメタボリック・シンドロームとやらが気になる年齢と体型なのだ。<br />
　頑張って隅田川沿いに白髭橋から吾妻橋まで歩く。電車に乗って行けば駅３つ分。結構、歩きでのある距離だ。<br />
　喉が渇いたね。どこかでひと休みしていこうと、ついついビール会社の中にあるオープンカフェに入って、一杯。<br />
　消費したはずのカロリーをしっかりと取り戻し、二人顔を見合わせて小さく笑って家路に着いた。<br />
　別の日曜日の午後、また妻と二人、散歩に出かける。<br />
　お父さんと散歩に行くねと言う妻に、遅く起きてきた長男が放牧？　ととぼけた顔で云う。<br />
　失礼ね。でも、放牧ってことは豚じゃないのね。豚には放牧ってあまり言わないじゃない？<br />
　今日は隅田川を遡って千住方面に歩く。川沿いの道は広々として春の空が大きく開けている。風が清々しい。<br />
　歩くのが遅い妻のために、時々速度を緩めたり立ち止まってあげたり、結構気を使って歩いているのだが、妻は気がついているのだろうか？<br />
　綺麗に芝生が張られた堤防の道を歩きながら、心の中で「ホウボク、ホウボク」と呟いて、ついニヤニヤとしてしまう。<br />
　足元に芝生の柔らかさを感じ、都会には珍しい広い青い空の下、妻と共にゆっくりと歩く。<br />
　そして、私は牧童なのか或いは牛なのだろうかと考えながら、またゆっくりと歩く。<br />
　汐入から新しくできた千住汐入大橋を渡ったところでファミリーレストランに入り、ひと休み。<br />
　紅茶で喉を潤し、特大プリンとイチゴのパフェで消費したはずのカロリーをしっかりと取り戻してから家路に着いた。</p>]]>
        
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    <title>川沿いの散歩道</title>
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    <published>2007-10-08T09:48:52Z</published>
    <updated>2008-09-14T00:55:56Z</updated>

    <summary>　せせこましい都会の家並みを抜けて、 　堤防の上のこの道に出ると、 　空が大きく...</summary>
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        <![CDATA[<p class="img_R"><a href="http://tsu55.sakura.ne.jp/sblo_files/tsu55/image/dote.jpg" target="_blank"><img src="http://tsu55.sakura.ne.jp/sblo_files/tsu55/image/dote-thumbnail2.jpg" alt="汐入大橋付近" width="150" height="99" border="0" /></a></p>　せせこましい都会の家並みを抜けて、
　堤防の上のこの道に出ると、
　空が大きく開けて、
　何かから解放されたような気持ちになる。
　風が川面を渡ってくる。
　私のお気に入りの道だ。]]>
        
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    <title>雨だれ</title>
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    <published>2007-09-17T08:54:45Z</published>
    <updated>2008-09-14T09:21:28Z</updated>

    <summary>　山手線を見おろす高台の道を六月の雨が濡らしている。雨の匂いがする。 　駒込駅近...</summary>
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        <![CDATA[<p>　山手線を見おろす高台の道を六月の雨が濡らしている。雨の匂いがする。<br />
　駒込駅近くの線路に沿った崖上の道に車を停めておいたのだが、近頃は駐車違反の取締りが厳しいので、心配になって、そそくさと用事を済ませて車に戻ってきた。<br />
　車にもぐり込んで、イグニッションを回す。エンジンのかすかな震えがハンドルを握る指先に伝わる。<br />
　カーラジオから聞き覚えのある少し甘えたような歌声が流れてきた。<br />
　懐かしいなと思って、動かしかけた車を止めて曲に聞き入ってしまった。曲名は思い出せないが歌っているのは太田裕美で、もう三十年以上も前、私の学生時代に流行った曲だ。<br />　曲が終わり、ＤＪが語り始める。</p>
<blockquote><p>太田裕美さんのデビュー曲『雨だれ』をお送りしました......。</p></blockquote>
<p>　あゝそうだった、『雨だれ』だ。<br />
　太田裕美のデビュー曲は『木綿のハンカチーフ』だとばかり思っていたのだけれど、そういわれてみれば、『雨だれ』のほうが先だったかもしれない。特に熱心なファンだったと言うわけでもないので、そんなことも知らなかったのだ。<br />
　崖の下を電車が飛沫を上げて走り抜けていった。<br />
　三十年。と心の中で呟いてみたのだが、色々な事があったはずなのに、たいして感慨も沸かない。<br />
　眼下を山手線の銀色の車体が雨を切り裂いて疾走していく。<br />
　ワイパーがフロントガラスを舐める。私はひとり残されたような心持になって、それを眺めていた。</p>]]>
        
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    <title>木犀の香りについて</title>
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    <published>2006-10-03T13:28:02Z</published>
    <updated>2008-09-06T11:17:44Z</updated>

    <summary>　会社からの帰り道。　ほの明るい街灯の下、いつもの角を曲がった所でキンモクセイの香りに気がついた。　雨の日が続いたので、もうすっかり今年の木犀は終わりだと勝手に決め付けていたのだが、ちょっと、不意を...</summary>
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        <![CDATA[<p>　会社からの帰り道。<br />
　ほの明るい街灯の下、いつもの角を曲がった所でキンモクセイの香りに気がついた。<br />
　雨の日が続いたので、もうすっかり今年の木犀は終わりだと勝手に決め付けていたのだが、ちょっと、不意を衝かれたような感じがした。<br />
　懐かしい香りだと思った。<br />
　懐かしいという思いは、哀しいという感情に似ている。<br />
　一昨年より昨年、昨年より今年と、その香りに纏わりつく哀愁は、年を経るに連れて増してくる。<br />
　それはつまり、私がまたひとつ年を取ったということなのだろうか。</p>]]>
        
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    <title>妻に抱かれる</title>
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    <published>2006-09-17T14:59:00Z</published>
    <updated>2008-09-06T11:17:44Z</updated>

    <summary>　居間のソファーでごろんと横になって休んでいた。ベランダの窓からひんやりとした空気が流れてきている。もう、秋になったんだ。　窓の外では、少し前から雨が静かに降り出してきた。　「雨、蕭々（しょうしょう...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://daizyoubu.net/">
        <![CDATA[<p>　居間のソファーでごろんと横になって休んでいた。<br />
　ベランダの窓からはひんやりとした空気が流れてきている。もう、秋になったんだ。<br />
　窓の外では、少し前から雨が静かに降り出してきた。<br />
　「雨、蕭々（しょうしょう）タリ」というのは、今時のこういう雨の降りかたを表現したものだろうか。<br />
　そういえば永井荷風の小説に「雨蕭々」というのがあったけれども、あの話の設定は今頃の季節だったかな、などとぼんやり考えていたら、上のほうから妻の声がした。<br />
　「ねぇ、ちょっといい？　明日の練習」<br />
　妻はホームヘルパーをしているが、明日は寝たきりのご老人の世話があるらしい。<br />
　私を実験台にして練習ということか、寝そべっている私を、首の下と膝の裏に手を入れて、起こそうとする。<br />
　いくらなんでもそれは無理だろうと思って横になっていたが、あっという間に妻の胸に抱かれて起こされてしまった。<br />
　それでも妻は得心がいかないらしく、二度三度と同じ作業を繰り返し、その度に私は妻のやわらかく暖かい胸に抱かれて起こされる。<br />
　「だいじょうぶ？　苦しくない？　」妻は少し不安げだが、私のほうは、いつ寝たきりになっても大丈夫、という気分になってきた。<br />
　再びソファーに横になってみると、休日の午後は空気も気のせいか清澄で雨音も柔らかい。<br />
　やはり「雨蕭々タリ」とはこの季節の雨にふさわしい表現だなと思いつつ、静かな雨音に耳を澄ませてみた。</p>]]>
        
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    <title>帰り道</title>
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    <published>2006-05-07T02:36:03Z</published>
    <updated>2008-09-06T11:17:43Z</updated>

    <summary>　街路灯の青白い光の中にぼんやりと浮かぶ後姿はきっと私の妻に違いない。　声をかけてみようかと思ったが、妻との距離は２００メートルもあろうか、多少は大きな声を出さなければ届かないだろう、と思ってやめに...</summary>
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        <![CDATA[<p>　街路灯の青白い光の中にぼんやりと浮かぶ後姿はきっと私の妻に違いない。<br />
　声をかけてみようかと思ったが、妻との距離は２００メートルもあろうか、多少は大きな声を出さなければ届かないだろう、と思ってやめにした。<br />
　今日は仕事が遅くなった。すでに通りは人影もまばらで暗く寂しい。<br />
　この通りも昔は賑やかで活気があったのに、ずいぶんと寂しくなったものだなどと考えながら歩いているうちに妻との距離はぐっと縮まったようだ。<br />
　両手にスーパーの袋を重たそうに提げて歩くその姿はなんだか貧乏臭く見える。<br />
　も一度声をかけようと思ったが、なんと声を掛ければよいのか思いつかなくて、やめにした。<br />
　そういえば結婚して２０数年になるが、今まで妻の名前を呼んだことがない。「ねぇ」とか「さぁ」とか、子供ができてからはもっぱら「おかあさん」だった。子供がいない場所で「おかあさん」はおかしいし、なんだか恥ずかしいような気がする。どうしたものかと考えているうちに、とうとう追いついてしまった。<br />
　横に並んで妻のほうを振り向くと、きゃっと小さく叫んで「ストーカーかと思った」とのたもうた。<br />
　黙って重そうなスーパーの袋の片方を取りあげる。妻の右肩が少し浮き上がり、私の左肩が沈む。そうして肩を並べて歩いた。<br />
　こうやって二人で歩くのは久しぶりだなと思った。</p>]]>
        
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    <title>桜</title>
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    <published>2006-04-04T14:51:04Z</published>
    <updated>2008-09-06T11:17:43Z</updated>

    <summary>　うっすらと寝ぼけた朝の光の中、高架上を走る通勤電車の窓から一叢の桜の花が目に入った。　住宅密集地帯の煤けたような低い家並みの上に、桜はひょっこりと頭を出して、そこだけ輝いているようだ。　あの桜には...</summary>
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        <![CDATA[<p>　うっすらと寝ぼけた朝の光の中、高架上を走る通勤電車の窓から一叢の桜の花が目に入った。<br />
　住宅密集地帯の煤けたような低い家並みの上に、桜はひょっこりと頭を出して、そこだけ輝いているようだ。<br />
　あの桜には思い出がある。<br />
　桜の下には公園があって、子供たちがまだ小さかった頃、私たち家族はよくそこで遊んだ。家と家とが軒を接する路地の奥に、ぽっかりと、そこだけ青い空が開けた小さな公園だった。<br />
　その公園のすぐ近くに私たちの家があった。<br />
　私がはじめて買った一戸建ての家で、私たち家族はみな気に入っていたが、訳あって手放してしまった。<br />
　その後何度か私たちは引越しをしたが、子供たちはあのときのあの家が一番よかったねと今でも時々話題にし、そのたびに私の胸はちくちくと痛む。<br />
　子供たちも、もっと大人になれば分かると思う。人生いろんなことがあるんだよと私は心の中で呟くのだ。</p>]]>
        
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    <title>辛夷の花</title>
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    <published>2006-03-26T04:12:00Z</published>
    <updated>2008-09-06T11:17:43Z</updated>

    <summary>　辛夷（こぶし）が美しい。　この季節になるといつもそうなのだが、辛夷や白木蓮の美しさをどうすれば文章で表現できるのかと考えて、ちょっと悩ましい気持ちになる。 光の質量というようなことを考えた。　辛夷...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://daizyoubu.net/">
        <![CDATA[<p class="img_L"><a href="http://tsu55.sakura.ne.jp/sblo_files/tsu55/image/kobushi.jpg" target="_blank"><img src="http://tsu55.sakura.ne.jp/sblo_files/tsu55/image/kobushi-thumbnail2.jpg" alt="辛夷" width="112" height="150" border="0" /></a></p>
　辛夷（こぶし）が美しい。
　この季節になるといつもそうなのだが、辛夷や白木蓮の美しさをどうすれば文章で表現できるのかと考えて、ちょっと悩ましい気持ちになる。
　光の質量というようなことを考えた。
　辛夷の白い花はそれ自体が光を発しているように見え、またその光に質量が存在しているように感じられるのだが、たぶん、こんなことを書いても誰にも伝わらないかもしれない。
　やはり辛夷の美しさは文章では表現しきれない。
　殺伐とした都会の空に、辛夷はいっときだけ白い花の色を滲ませる。
やがて木々が芽吹き、桜が町を彩る、その前の静寂。
 ……いや、違うな。なかなか表現できない。難しい。]]>
        
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    <title>交通博物館の思い出</title>
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    <published>2006-02-24T04:08:06Z</published>
    <updated>2008-09-06T11:17:43Z</updated>

    <summary>　今年の５月で閉館になるという、神田の交通博物館に行ってきた。　ここは私の好きな場所のひとつだ。子供の頃から何度も行ったし、結婚して人の親になってからは、子供連れで出かけたものだった。　だいぶ以前、...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://daizyoubu.net/">
        <![CDATA[<p>　今年の５月で閉館になるという、神田の<a href="http://www.kouhaku.or.jp/">交通博物館</a>に行ってきた。<br />
　ここは私の好きな場所のひとつだ。子供の頃から何度も行ったし、結婚して人の親になってからは、子供連れで出かけたものだった。<br />
<p class="img_L"><a href="http://tsu55.sakura.ne.jp/sblo_files/tsu55/image/kouhaku.jpg" target="_blank"><img src="http://tsu55.sakura.ne.jp/sblo_files/tsu55/image/kouhaku-thumbnail2.jpg" alt="交通博物館階段室" width="112" height="150" border="0" /></a></a></p><br />
　だいぶ以前、私がまだ小学生くらいの時だが、亡くなった母から、若い頃、この建物の中で働いていたと聞いたことがある。<br />
　３階に手動式の計算機がずらっと並んだ一室があって、母はその計算機のオペレーターのような仕事をしていたようだ。<br />
　こうやってレバーをガチャンと押すのよ。それがすごっく重くてね。と、大きなレバーを押すような仕草をして説明する母。<br />
　手動式計算機というものを見たことのない私は、カジノのスロットマシーンのような機械が並ぶ一室で働く、若くて華奢な体つきの母を想像した。<br />
　また、女性の多い職場での気苦労もあったようで、２日続けて同じ服を着て出勤したら外泊したと噂されたのよと小学生の私にそんな思い出話をしたのは、よっぽど悔しかったからなのだろうか。<br />
　旧万世橋駅舎の基礎を利用して建てられたこの建物には万世橋駅の時代と交通博物館の時代という二つの歴史が重なっている。<br />
　閉館イベントの一環として行われている「旧万世橋駅遺構特別公開」という見学会に参加してみた。<br />
　関東大震災による火災で崩壊した、豪奢な駅舎の僅かに残された通路部分だけの見学ではあったけれど、鉄とレンガの質量がすなわち歴史の重みとして理解できたような気がした。<br />
　昭和の初期に建てられた交通博物館の建物は万世橋駅の豪華さはないが、ガラス張りの階段室など、おそらく当時の人たちの目には、かなりモダンな造りとして映ったに違いない。<br />
　母にとって、この場所で働いていたということは、青春の輝かしい思い出のひとつであったのだろう。<br />
　私にとっては子供の頃、間近に見る機関車の量感に圧倒されたことや、電気仕掛けの展示物を弄る楽しさに時を忘れたことなど思い出は尽きない。<br />
　そして私の子供たちだが、まだ幼い頃に、何度か連れて行ってあげたことを覚えているだろうか？</p>]]>
        
    </content>
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    <title>百花園雪景色</title>
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    <published>2006-01-22T13:49:01Z</published>
    <updated>2008-09-06T11:17:43Z</updated>

    <summary>　ボコボコという奇妙な音で目が覚めた。カーテンを開けると一面の雪景色に朝日が反射して眩しい。　雪に覆われた百花園というのもオツなものではないかと思って、散歩に出かけることにした。　路面の雪は半ば凍っ...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://daizyoubu.net/">
        <![CDATA[<p>　ボコボコという奇妙な音で目が覚めた。<br />
カーテンを開けると一面の雪景色に朝日が反射して眩しい。<br />
<p class="img_L"><a href="http://tsu55.sakura.ne.jp/sblo_files/tsu55/image/yuki.jpg" target="_blank"><img src="http://tsu55.sakura.ne.jp/sblo_files/tsu55/image/yuki-thumbnail2.jpg" alt=" 雪の百花園" width="150" height="112" border="0" /></a></p><br />
　雪に覆われた百花園というのもオツなものではないかと思って、散歩に出かけることにした。<br />
　路面の雪は半ば凍っていて踏みしめる度に音を立てる。車が通るとボコボコという音がする。寝床の中で聞いたのはこの音だったのだ。<br />
　日当たりの悪い道ではいったん融けた雪がまた凍ってツルツルになっている。まことに都会の雪は始末が悪い。今日は休日だからまだいいが、明日までに除雪してもらわないと仕事に差し支えるだろう。<br />
　百花園には私のほかには２、３組のカメラをぶら下げた年配者がいるのみで、とても静かだった。<br />
　不思議なことに園内の雪はさくさくとしていて歩くと気持ちがよい。<br />
　雪も降る場所を選んでいるのだろうか。街中に降る雪は人間どもを困らせてやろうとして降り、百花園に降る雪は人に愛でてもらおうとして降るのだろうか。<br />
　見上げると樹の梢に積もった雪が風に吹かれ、澄み渡った空気の中をさらさらと散っていった。</p>]]>
        
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    <title>サヨナラダケガ人生ダ</title>
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    <published>2005-11-30T15:32:04Z</published>
    <updated>2008-09-06T11:17:43Z</updated>

    <summary>　会社から帰宅すると、娘が目を腫らして泣いていた。　同級生の男子が突然、心不全で亡くなったのだそうだ。Ａちゃんってカワイソウだよ。Ｂ君のこと好きで、サッカーやって遊んだときに、みんなで告白しちゃいな...</summary>
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        <![CDATA[<p>　会社から帰宅すると、娘が目を腫らして泣いていた。<br />
　同級生の男子が突然、心不全で亡くなったのだそうだ。<br />
<blockquote><p>Ａちゃんってカワイソウだよ。Ｂ君のこと好きで、サッカーやって遊んだときに、みんなで告白しちゃいなよって言ったのに、<br />
恥ずかしいよって言ってたんだけど、でも、やっとメルアド交換して喜んでいたのに、Ｂ君、次の日から学校休んで、すぐに死んじゃったんだ。</p></blockquote><br />
　夕食のテーブルを挟んで娘の話に耳を傾けながら、私は考える。<br />
　こんなとき、父親として何と言ってやればよいのだろうかと。<br />
<blockquote><p>パパ、16歳で死ぬなんていやだよね？<br />
うーん。そりゃまぁそうだね。でも、どうして死んじゃったのかな。</p></blockquote><br />
　などとかみ合わない会話を続けながら、ふと「サヨナラダケガ人生ダ」というフレーズが頭に浮かんできた。<br />
　ソウナンダヨナ、サヨナラダケガ人生ナンダヨナとビールを飲みながら頭のなかで反芻する。<br />
　于武陵の「勧酒」を井伏鱒二が訳した中の一節だが、でも、そんなことを説明しても何の慰めにもなりそうもないか、などと考えているうちに、娘は自分の部屋に引き上げてしまった。<br />
　父親としてのコミュニケーション能力のなさをいまさらながら感じつつもまた、「ハナニアラシノタトヘモアルゾ」と心の中でつぶやき、ビールのグラスを置いた。</p>]]>
        
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    <title>左足の薬指</title>
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    <published>2005-11-11T22:50:00Z</published>
    <updated>2008-09-06T11:17:43Z</updated>

    <summary>　朝、起きぬけに畳の上においてあった小物入れに足の薬指を思いっきりぶっつけてしま...</summary>
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        <![CDATA[<p>　朝、起きぬけに畳の上においてあった小物入れに足の薬指を思いっきりぶっつけてしまった。<br />
　月に一度の土曜出勤の朝、冷たい雨の中を足を引きずりながらの出社。<br />
　昼休み、土曜出勤の日は昼食として会社から弁当が支給されるのだが、お茶を配ろうとしたＴ嬢（会社で一番年若のデザイナーさん）がお盆をひっくり返してしまった。<br />
　皆がお弁当を食べている間、ずっと更衣室に閉じこもっていたＴさんがようやく自分のＭａｃの前に戻ってきたとき、その顔には涙の跡がはっきりと見て取れた。<br />
　どんな風に声をかけたらいいものか？、いや、こんなときはそっとしておいてあげるべきなのか？<br />
　考えあぐねて、その挙句、曖昧な微笑を向けただけで、声をかけてやることもできずにいた。<br />
　会社からの帰り道、傘を会社に置き忘れたことに気がついた。　　左足の薬指が、じん、と痛んだ。</p>]]>
        
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    <title>ボックスシートの幸せ</title>
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    <published>2005-10-31T15:00:01Z</published>
    <updated>2008-09-06T11:17:43Z</updated>

    <summary>　思いがけないアクシデントの続く一日が終わって、会社を出たのはいつもよりだいぶ遅い時間刻だった。　浅草駅のホームに入ってきたのは、いつもの通勤電車ではなく、日光方面への快速電車として使われる車両だっ...</summary>
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        <![CDATA[<p>　思いがけないアクシデントの続く一日が終わって、会社を出たのはいつもよりだいぶ遅い時間刻だった。<br />
　浅草駅のホームに入ってきたのは、いつもの通勤電車ではなく、日光方面への快速電車として使われる車両だった。<br />
　時間が遅いせいか乗客も少ない。ボックスシートに腰を下ろすと、なんだか、これから遠い旅にでも出るような気分になってきた。<br />
　窓の外を灯りが流れるのを眺めながら、子供の頃を思い出す。<br />
　信越の山奥にある母の実家には、上野駅から夜汽車に乗って行くことが多かった。<br />
　窓の外を、遠くの明かりはゆっくりと、近くの明かりは流れるように過ぎ去っていく。<br />
　それを、子供の私は窓ガラスに顔をくっつけて、飽きることもなく眺めていた。<br />
　車内は暖房が効いて暖かかったが、露をいっぱいつけた窓ガラスは冷たくて気持ちよかった。<br />
　不思議なもので、列車から降りてから母の実家までどうやって行ったとか、田舎の家でどんな事をしたかと云うような事はおぼろげにしか覚えていないのに、列車の窓に顔をくっつけて眺めていた景色とか、車内の雰囲気というものは実にはっきりと覚えている。<br />
　十数分の短い旅だったが、少しだけ幸せな気分になれた。<br />
　降り際にちょっと窓ガラスに触れてみた。<br />
　露はついていなかったが、冷たくて気持ちが良かった。</p>]]>
        
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    <title>キンモクセイの香り</title>
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    <published>2005-10-16T13:54:00Z</published>
    <updated>2008-09-06T11:17:43Z</updated>

    <summary>　休日だというのに、昨日からから断続的に雨が振っている。今年のキンモクセイはこれで終わりかもしれない。　普段はその存在さえ気がつかない地味な樹なのに、この季節になると、どの街角にもキンモクセイの香り...</summary>
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        <![CDATA[<p>　休日だというのに、昨日からから断続的に雨が振っている。今年のキンモクセイはこれで終わりかもしれない。<br />
　普段はその存在さえ気がつかない地味な樹なのに、この季節になると、どの街角にもキンモクセイの香りが満ちている。<br />
　なんとなく甘く悲しい香りだ。<br />
　「キンモクセイの香りがするとと、大学を受験する準備のために静岡から東京に出てきたときのことを思い出すんだ。」という、古い友人の、ひと言がなぜか毎年この花の季節になると思い出される。<br />
　何かの話のついでに、何気なく語られたひと言で、しかもそれが語られたのは私たちが学生だった３０数年前のことだった。その数年後に友人は亡くなっている。<br />
　高校３年のときに柔道の練習中に大怪我をし、１年間を病床で過ごしたという彼の、東京に出てくるという、そのときの思いというものは、どんなものだったのだろうか。もっといろいろなことを、もっと詳しく聞いておかば良かったとおもう。<br />
　思い出を語った本人は遠い昔に亡くなったのに、その「思い出」だけがキンモクセイの香りとともに浮遊して毎年この季節になると私の元に届く。<br />
　この花の香りは、なんとなく甘く悲しい。</p>]]>
        
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    <title>娘の自転車</title>
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    <published>2005-05-29T14:52:00Z</published>
    <updated>2008-09-06T11:17:43Z</updated>

    <summary>　盗まれたと思っていた娘の自転車が、忘れた頃になって区の自転車集積所から出てきた。　何のことはない、駅前に自転車をおいて遊んでいるうちに放置自転車として撤去されていたのだ。　すっかり盗まれたものと思...</summary>
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        <category term="妻と僕と子供らと" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
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        <![CDATA[<p>　盗まれたと思っていた娘の自転車が、忘れた頃になって区の自転車集積所から出てきた。<br />
　何のことはない、駅前に自転車をおいて遊んでいるうちに放置自転車として撤去されていたのだ。<br />
　すっかり盗まれたものと思いこんで、娘には既に新しい自転車を買い与えてしまっていたので、昨日、自転車集積所で保管料２０００円也を支払って請け出してきた自転車は、家族で唯一人自分の自転車を持っていなかった私のものになった。<br />
　中学の３年間を娘の足となって過ごした、自転車はかなり草臥れた容姿だったが、走らせてみれば走る、止まる、曲がるという基本的な機能には問題はなく、なかなか快適だった。<br />
<p class="img_L"><a href="http://tsu55.sakura.ne.jp/sblo_files/tsu55/image/hana.jpg" target="_blank"><img src="http://tsu55.sakura.ne.jp/sblo_files/tsu55/image/hana-thumbnail2.jpg" alt="汐入スーパー堤防" width="150" height="112" border="0" /></a></p><br />
　これといった用事もない日曜日の午後、天気もいいことだし、健康のために少しは体を動かして見ようかと、娘のお下がりの自転車を漕ぎ出した。友達とね、葛西の方に行こうと思ってずっと走っていったんだけど、道がわかんなくなっちゃって、橋を渡ってずっと行ったら、松戸に着いたんだよ。と今は高校生になった娘の話を思い出し、しかし、うちから松戸までは自転車で行くには遠すぎる距離だ。いや、そもそも葛西だって、かなりな距離がある。むちゃだな。若いと言うことは、そういうことなんだな。などと考えながらペダルを漕いでいるうちに、隅田川を渡り、都内では珍しいスーパー堤防の上に出た。<br />
　川岸の、大きく空が開けた道を風の音を聞きながらゆっくりと走り、堤上のコスモス畑のあたりに自転車を止め、シロツメクサの花の上に寝ころんでみた。</p>]]>
        
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